夜の世界には憧れるけど、実際にどんな仕事をしているのかわからなくて、中々飛び込む勇気が出ないという人は多いです。
実際僕もそうでした。
そんなときに役に立つのは、ボーイやホストといった、ナイトワークに関わるキャラクターが出てくる漫画です。
「全く現場を知らない人が描いたんだろうなぁ」と思うような作品もあれば、「この人は実際に働いてたんじゃないだろうか?」と思うほどリアルな作品もあり、ナイトワークのことを全く知らない人にとっては、中々勉強になることも多いと思います。
この記事では、実際に僕が読んで、「これは結構リアルっぽい!」とピンと来た作品を集めてみました。
ホストクラブでの熱い戦い『夜王』
└参照元:http://www.big-chance.co.jp/local/sp_machine/yaou/
ホスト関係の漫画といえば、「夜王」は外せないと思います。
テレビドラマになったり、パチンコ・パチスロにもなっているのでしている人も多いのではないでしょうか。
原作はナイトワーク関係にやたらと詳しいことで有名な倉科遼さんで、作画はヤングジャンプで30年以上に渡ってたくさんの漫画を連載し続けていた井上紀良さんの豪華タッグです。
北海道から上京してきた主人公の的場遼介がホストになり、紆余曲折を経てホストとして成長し、最後には歌舞伎町のトップに立つという、ある意味ありきたりなストーリーです。
かなりご都合主義で、「流石にそんなにうまくはいかないと思う…」という点も多いのですが、そこは漫画ですので演出と理解しましょう。
この漫画の最大の見所というか、「結構リアルだな」と感じた部分は、やたらとテンションの高い競争や勝負を、登場するホストたちが繰り広げる部分です。
とにかくなんでも「売上勝負」。
「負けたら出て行け」という感覚は実際のホストの行動原理に通じる部分があると思いました。
流石にかなり誇張されていますが、ホストという人種を理解するための最初の1冊にはいいと思います。
ホストの厳しい一面も登場『闇金ウシジマくん』
└参照元:https://next.rikunabi.com/journal/20151126_2/
「闇金ウシジマくん」は、ヤミ金業者が主人公の漫画ですが、エピソードの中にホストが登場しています。
絵の雰囲気もかなりリアルタッチなのですが、食い詰めてお金に困っている人たちの描写の方がさらにリアルです。
この漫画のエピソードの1つに、「ホストくん編」というものがあり、その内容はそこそこ秀逸な描写でした。
売上を上げるために、田舎の母親に客として来店してもらったり、売上競争に勝つため、自分に気がある女の子が心を病んでしまうまでボトルを入れさせたりと、中々リアルです。
最近はあまり表立ってこうした話を聞くことはなくなりましたが、実際に似たようなことはどこでもありました。
僕がホストとして働いているときの同じお店のNo.1の人は、実際に風俗嬢やキャバ嬢のお客さんを何人も抱えていて、彼女たちが毎日必死で働いてつくったお金を全て自分の売上に変えていたのを思い出します。
スカウト事情も知っておこう『新宿スワン』
└参照元:https://pc.video.dmkt-sp.jp/ti/10003005
ナイトワークにはつきもののスカウト関係の話なら、「新宿スワン」は結構リアルでした。
田舎から上京してきた主人公の白鳥龍彦が、偶然スカウト会社の幹部に拾われて、自分のスカウト会社を立ち上げるまで上り詰める様子を描いた漫画です。
連載初期の頃のスカウトの仕事風景や、登場する従業員たちの苦悩、やたらと厳しい上下関係やスカウトバックのシステムなど、「かなり突っ込んで描いてるなぁ」と思っていました。
それもそのはずで、作者の和久井健さんは元スカウトで、実体験ありきで漫画を描いておられたそうです。
中盤以降は暴力団関係とスカウトの関係性や、他のスカウト会社との揉め方などが描かれるようになったのですが、脚色ありきでよんでみても、かなり「ある」話だと思いました。
僕はスカウトとして働いたことはないのですが、同じナイトワークに携わる者として、似たような話はいくつも聞いたことがあります。
キャバクラやホストの実態がわかるというよりも、ナイトワーク業界全体が抱えている状況をうまく描写している作品です。
夜の世界がどうやってお金を生んでいるのか、どうやってお金を回収しているのかの一端を理解する入門書として優秀な作品だと思います。
キャバクラ経営のミニゲームも『龍が如くシリーズ』
└参照元:https://renote.jp/articles/4480
キャバクラに関係するゲームといえば、「龍が如くシリーズ」は鉄板です。
僕もプレイしてました。
元ヤクザの桐生一馬が、歌舞伎町をモチーフにした神室町で、ある理由からヤクザに狙われている少女を守りながら戦い続ける、大ヒットアクションアドベンチャーゲームです。
ストーリーの本編にはナイトワーク関係の描写はありませんが、ゲーム内のミニゲームで、キャバクラを経営することができます。
このミニゲームはかなり秀逸で、人気が沸騰したため、実在のキャバ嬢をモデルにしたキャラクターが登場するなど、かなり本気のつくりこみが面白いです。
流石にゲームなので、そこまでリアルではないのですが、ただ1点だけボーイ時代を思い出す描写があり、思わず唸ってしまいました。
それはキャバ嬢たちが、思いの外面倒くさいと感じさせるところです。
中々綿密に取材をしていると思いました。